貴院は昭和11年、産業組合高岡病院として発足、昭和33年総合病院の承認、昭和50年厚生連高岡病院として運営されている。以来、県西部地区の医療拠点として、救急医療の充実はもとより、リハビリ部門、訪問看護部門の整備、そして臨床研修病院の機能の充実を図るなど、地域完結型医療サービスの提供は評価できる。しかし細部については、まだ課題も見受けられた。今回の病院機能評価の審査結果を参考に、一層充実した病院として活躍されることを期待したい。
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1.病院組織の運営と地域における役割
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病院の基本方針の策定についてはさらに地域ニーズの反映を望みたい。理念および基本方針の周知は適切に行われている。地域における役割・機能についてはおおむね適切であるが、地域ニーズの把握に努め、具体的な将来計画を策定するよう努力されたい。病院管理者・幹部のリーダーシップについては、病院運営上の諸問題の解決に、より一層の指導力が発揮されることを望みたい。病院組織の運営では、病院の実態に沿った組織図の検討が望まれる。情報管理機能は適切に運用されているが、診療録の開示に向けた教育を望みたい。関係法令については、院内感染防止対策委員会の構成員などについて見直されたい。職員の教育・研修については、必要性の高い研修計画と充実した研修内容、評価が求められる。医療サービスの改善活動では、具体的な改善目標の設定と改善活動への積極的な取り組みを期待したい。地域の保健・医療・福祉施設などの連携は地域連携室を中心に適切に活動が展開されている。地域に開かれた病院では、地域活動に積極的に取り組まれている。広報内容の充実を望みたい。
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2.患者の権利と医療の質および安全の確保
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患者の権利に関する内容は明文化され患者・家族に周知されているが、さらに職員への職業倫理の周知を図られたい。説明と同意については、患者・家族への心理的支援や、診療録の開示に向けた研修を期待したい。患者の安全確保のための体制では、インシデントレポートの提出などへの医師の関わりや、より一層系統的な教育・訓練への取り組みについて検討されたい。患者の安全を確保するための重要な手順は各領域で具体的に確立しており適切である。安全確保のための情報収集・分析・改善策の実行については、報告システムの運用面について再検討すること、および改善策の実行と効果の確認の実績の積み重ねが望まれる。医療事故への対応体制は適切である。院内感染管理では、院内感染防止対策委員会の委員に院長を加えられたい。また、予防接種の奨励や、院内感染症の防止対策、定期的な教育活動の取り組みを期待したい。
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3.療養環境と患者サービス
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接遇と案内については、責任者が紹介されており病院の案内・掲示も適切に配慮されているが、外来待ち時間短縮に向けてのさらなる努力を望みたい。医療相談では、相談窓口が整備され適切に対応されている。患者・家族の意見の尊重では、患者・家族の意見・苦情に基づくサービスの改善が行われており適切である。利便性とバリアフリーへの配慮は適切に行われている。プライバシー確保への配慮では、外来患者のプライバシー確保への配慮を望みたい。療養環境の整備については、患者が使用する備品の定期的な点検や、一部のトイレの臭気に配慮されたい。禁煙、分煙における対応については、全館禁煙は評価できるが出入り口での喫煙は適切でない。受動喫煙の防止を徹底するよう改善されたい。また、職員に対する禁煙教育の推進を検討されたい。快適な療養環境の配慮はおおむね適切であるが、食事の快適性や、入浴の頻度について配慮されたい。災害時の対応では、大規模災害を想定した対応体制や、食料品の備蓄について検討されたい。
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4.診療の質の確保
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<診療体制の確立と各部門の管理> 診療組織と運営体制については、現況を反映した組織図の明確化や、基本方針の徹底を望みたい。なお、倫理に関する教育も計画的に行われたい。医師の人事管理と教育・研修では、人事考課の一層の充実を期待する。診療録管理部門については、電子カルテ導入によりシステムが整備・管理は適切であるが、その活用はまだ軌道にのった状態とはいえず、今後の対応を期待したい。図書室機能では、さらに整備が期待される。臨床検査部門は体制が整備され適切に運営されているが、業務量・内容などから医師の配置の検討を期待したい。病理診断部門では、おおむね適切に運営されている。画像診断部門の体制・運営は適切であるが、放射線治療部門の専門医師の確保について検討されたい。薬剤部門については、採用医薬品数を減らすよう努力するとともに業務内容の見直しを行い、注射薬の調剤業務や薬剤情報の提供などにより積極的に関与されたい。輸血血液部門では、血液製剤の使用状況から医師の配置は必要であろう。検討を期待したい。手術・麻酔部門については、適切に運営されている。集中治療室では、体制は整備されているが、運営の充実を期待する。救急部門については、地域における役割を明確にして適切に整備されて機能している。栄養部門では、施設・設備のさらなる整備を期待したい。リハビリテーション部門、訪問サービス部門とも体制が整備され適切に運営されている。
<適切な診療活動の展開> 各病棟とも診療の責任体制が確立しており、回診も定期的に実施されている。医師の指示受けの仕組みは確立しており、診療録の記載についても適切である。入院診療の計画対応では、入院時の身体的・精神的・社会的状態の記載の不備が散見されるが、入院診療計画は適切に作成され見直しも行われている。検査の実施と診断の確定については、適切に実施さている。薬剤投与では、病棟における薬剤師の関与について検討されたい。手術・麻酔管理は適切である。栄養管理、リハビリテーションについても適切に行われている。症状緩和への対応については、緩和医療の基準は必ずしも十分とはいえず一層の取り組みを期待する。行動制限の配慮、院内緊急時への対応も適切に行われている。療養の継続性では、退院時の療養指導について充実されたい。診療の質の保証については剖検数の増加を図り、治療実績を取りまとめるなど、貴院に相応しい診療の質確保に向けた総合的な取り組みが期待される。
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5.看護の適切な提供
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<看護体制の確立と組織管理> 看護部門の組織の確立については、看護管理が理念に反映されており目標管理も適切に行われている。組織の整備では、病棟の特性を踏まえた人員配置や実態に沿った組織図の見直しを検討されたい。なお、一部の職種の業務規程を整備されたい。看護部門の組織の運営では、職員の意見が反映されやすい組織が作られ運営されているが、効果的な看護ケア提供のための環境整備が求められる。看護部門の職員の能力評価については、全職員を対象とした評価基準の明文化を図り有効な活用を望みたい。能力開発プログラムが実施され、専門的知識に基づいた看護活動も適切に行われており評価できる。
<適切な看護活動の展開> 看護の実践では、入浴回数が病棟によっては若干少ないと思われるが、患者の病状変化への適応支援、継続的な観察と対応、および倫理に基づく看護などは適切である。看護基準・手順は看護ケアに適切に活用されている。看護ケア提供する仕組みにおいては、役割と責任が明確にされており、担当者も患者に知らせられている。医師の指示を受ける仕組みは整備され、看護実践の一連の過程も適切に記録されているが、看護記録の監査体制を検討されたい。看護活動の計画的対応では、一部患者・家族の反応の記述のないものが見受けられたので充実されたい。検査への関わりは適切である。与薬への関わりについては、服薬指導に薬剤師の関与を望みたい。周手術期の看護、栄養管理と食事指導とも適切に行われている。リハビリテーションの実施、行動抑制への配慮も適切に行われている。看護の継続性の確保、逝去時の対応も適切である。看護ケアの評価と質向上への努力については、看護ケアを改善する取り組みが行われ、ケア向上に反映されており適切である。
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6.病院運営管理の合理性
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人事管理の体制はおおむね適切であるが、人材確保のさらなる努力と有給休暇の取得可能な環境づくりに努力されたい。人事考課については、考課者の教育を行い、全職員へ実施することが望まれる。職員の労働安全衛生については職員の事故防止体制を充実されたい。財務・経営管理については、部門別の収支の把握や原価計算を行いさらなる経営改善を期待したい。医事業務への対応はおおむね適切であるが、患者の待ち時間短縮へ向けてのさらなる努力が求められる。病床管理は各病棟の看護師長が担当しているが、仕組みを検討され、病床利用率のより一層の向上を期待したい。施設・設備管理については、医療機器管理の中央化や調理室の衛生管理について検討されたい。病院の保安体制は適切である。物品管理では、採用医薬品数の見直しや購買の中央化への努力が求められる。業務委託への対応は、定期的な契約の見直しと委託業務従事者への教育の充実を望みたい。訴訟などへの対応体制は適切である。
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